コメントです。本人とほぼ同時期に他の病院に入院されていた,父親が他界した。
「おやじに会いたい!」
何度も何度も文字盤で訴え,30分だけ自宅への外出が叶った。
なんと!主治医もアンビューバッグを抱えての同行の外出となった。
父親との無言の再会。
本当なら,長男の俺が一切を取り仕切らなきゃいけないのに。
親父…親父…すまないな…
車椅子の後ろ姿から,そう語りかけているようだった。
三ヶ月ぶりの自宅。
窓を開けて庭を見てもらう。
金柑…見えた?
と話しかけるとニッコリとされる。
奥さんが,ニワトリを一羽連れて来て
「ほら~!姫(ニワトリの名前)!とーちゃんだよ~」と足に近づける。さらにニコニコと笑い,足で鳥を撫でている。
主治医が,穏やかな口調で静かに他の親族へ,温かい言葉をかけている。
ほんの短い外出ではあったけれど,心の奥がほんのりと温かくなる,キラリと光る感動の瞬間に立ち会えたことが嬉しい。